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メートルねじの新JISと旧JISについて(第43号)

前回、メートルねじとインチねじにはよく似たサイズがあり、両者を判別するのに紛らわしい場合があることを説明しました。これ以外にも紛らわしいケースがあります。 もう何年も前のことですが、ねじ部直径から推測するとメートル並目ねじであるのにピッチが合わない、インチねじにしてもねじ径がおかしい・・・と、悩んでいたところ、ベテラン社員からの一声、「旧JIS違う?」
そうでした、すっかり頭から抜け落ちていました、「旧JIS」というものがあったことを。

写真2 ナベ小ねじM5 ×12、左:旧JIS、 右:ISO

「旧JIS」とは、ねじ業界では「JISねじ」と言っているものです。現在流通しているメートルねじは、あえて言うなら、「新JIS」あるいは「ISO」というものです。古い話になりますので、手元には資料が残っていませんが、メートルねじ基準寸法について、「旧JIS」から「新JIS」への移行は1960年代のようです。
両者の違いはねじの呼びM3、M4、M5におけるピッチです。それ以外の呼びではピッチは両者共同じです。表1のように、「旧JIS」の方が若干ピッチが大きくなっています。両者のねじ部を重ねると、ピッチの違いで、ねじ山は合わないため判別ができます。

表1 メートル並目ねじの旧 JISと新JIS(ISO)のピッ チ比較
ねじの呼び ピッチ(mm)
旧JIS 新JIS
M3 0.6 0.5
M4 0.75 0.7
M5 0.9 0.8

これ以外にも判別方法があります。ナベ小ねじの「旧JIS」「新JIS(ISO)」の頭部を写真3に載せます。左側が「旧JIS」、右側が「新JIS]です。新JISの頭部には窪みがついているので区別できます(ナベ小ねじ以外でも窪みがついています)。この窪みは規格が変更された当時、両者を見分けるためのもので、1972年版JIS B 1111には規定されていました。しかしながら、現行のJISでは削除されているようで、窪みが無いからといって「旧JIS」であるとは一概に言えないようです。

写真3 ナベ小ねじM5×12頭部比較、左:旧JIS、右:ISO

 

図8 新JIS(ISO)の刻印

また「旧JIS」の入手性は、弊社の入手ルートでいえば、ナベ、皿、トラスの小ねじはいまだに市販(但し小箱単位)されています。
また弊社の在庫を調べたところ、ナベ、皿小ねじは、サイズは限定されますが、在庫が有り、さらにキャップスクリュー、六角ボルトも少量ですが在庫がありました。なお、弊社の在庫品についてはバラ販売可能です。キャップスクリューと六角ボルトについては在庫が無くなると最早入手困難になるかもしれません。

 

 

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