組込みねじは小ねじ、ボルト等に様々な種類の座金があらかじめ組み込まれているので、使用時に座金を組み込む手間が省けたり、組込み忘れが無いなど便利な商品です。
組込みねじの呼び方は、組み込まれている座金の種類によりメーカー指定の表記がされており、その一部は本誌の78号で紹介しました。
今回は六角頭を持ち、最もオーソドックスな平座金+ばね座金の組込みねじをご紹介します。
写真2,3,4はそれぞれトリーマP=3(※1)、トリーマP=4、トリーマI=3です。これらはすべて、ばね座金と平座金を装着した組込みねじですが、違いは表1のように平座金の外径と厚みです。
※1 トリーマというのは六角ボルトのことです。トリマーで六角頭の六角形状を打ち抜いて製造するのでこのような名称が付けられているようです。(なぜトリマーでなくトリーマというのかは不明です。)
写真2 トリーマP=3 | 写真3 トリーマP=4 | 写真4 トリーマI=3 |
呼び | M6 | M8 | M10 |
P=3 | 平座金(JIS) 13×1.0 |
平座金(JIS) 18×1.6 |
平座金(JIS) 22×1.6 |
P=4 | 平座金(JIS小形) 11.5×0.8 |
平座金(JIS小形) 16×1.2 |
平座金(JIS小形) 18×1.6 |
I=3 | 平座金(ISO) 12.5×1.6 |
平座金(ISO) 17×1.6 |
平座金(ISO) 21×2.0 |
I=4 | 市販品なし | 平座金(ISO) 15.5×1.6 |
市販品なし |
P=3には弊社で取り扱っている一般普及品の平座金が組み込まれています。P=4にはP=3よりも外径が小さな平座金が組み込まれています。弊社では主にP=3を在庫しています。
写真5は六角頭を持つ十字穴付アプセット小ねじ(※2)の組込みねじで、十字穴付アプセットP=3というものです。平座金+ばね座金付きはトリーマと同様にP=3,P=4,I=3,I=4です。
写真5 十字穴付アプセットP=3 |
組込みねじは上記以外にも多くの種類がありますので、これらは別の機会にご紹介をしたいと思います。
※2 アプセット小ねじは六角ボルト(トリーマ)と形状は似ていますが、頭を鍛造で作ります。六角ボルトと区別されています 。
※3 現在では規格が変わっており、JIS、ISOの表記でも現行の規格とはサイズが違うので要注意です。