今回は、「引きちぎってねじ締め完了!!」という、ねじをご紹介します。とはいってもねじ部を引きちぎる訳ではありません。
1.構造用トルシア形高力ボルト(図3)
鉄骨の組込みに使用されているのをよく見かけます。専用の電動レンチでナット側から施工します。
まず、ボルトのピンテールを専用レンチのインナースリーブに、ナットをアウタースリーブにそれぞれ挿入し、アウタースリーブでナットを回転させ、締め付けていきます。
締付けトルクが一定の値に達すると、ピンテールが破断溝で折れて、締付けが完了します。
呼び名はメーカー毎に異なりますが、日本ファスナー工業製はJFE トルクボルト(TBボルト)と呼びます。
図3 トルシア形高力ボルトの施工方法(※4) |
※4 図3は日本ファスナー工業㈱殿の資料を引用しました。
2.レッドピアス(写真4)
ピアスといってもアクセサリーのピアスではありません。ドリルねじで有名な商標の「ピアス」です。レッドピアスはALC用のねじです。ALCは和名で軽量気泡コンクリートと呼ばれ、鉄骨の柱にALCパネルをはめ込んで建てられた建造物が多く見受けられます。
ALCは砕けやすいので、ねじ止めして何かを固定したいときは困りものです。そんなとき、レッドピアスをお試しください。
レッドピアスはドリルねじではなく、とがり先ねじです。赤い頭部をドライバーで締付けていき、頭部がねじ切れると締付完了。一定のトルクでねじ切れるため、過度な締付によるALCの破壊を起こしません。
写真4 レッドピアス |
3.しめきり丸皿ビス(図4)
丸皿小ねじの頭上部に六角柱が付いたねじです。締め付けるときは、六角柱の部分をスパナで締付けていき、最後に六角柱をねじ切ると締結完了です。六角柱が取れてしまうとスナパやドライバが使用できないので、盗難防止ねじとして使用できます。
写真5 しめきり丸皿ビス | 図4 しめきり丸皿ビス |