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ねじのリードとピッチについて(第108号)

前の記事で、ねじの「リード」と「ピッチ」について記述されていますので、今回はこれについておさらいをしたいと思います。
「ねじ用語(JIS B 0101)」によると、リードとは「ねじのつる巻き線に沿って軸の周りを一周するとき、軸方向に進む距離」、ピッチとは「ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離」…という定義です。
言葉では分かりにくいので、図を見ながら、考えてみます。図3はつる巻き線が1本の一条ねじ模式図です。一般によく使われているねじは一条ねじであることが多いです。
図3の円筒上のつる巻き線が1周すると、距離Lだけ離れた点に到達します。この距離Lがリードになります。この時、ピッチは互いに隣り合うねじ山の距離ですから、Pとなります。このように、一条ねじの場合はリードLとピッチPが等しく(L=P)なります。

図3 一条ねじ 図4 二条ねじ

次に、図4の二条ねじを考えます。二条ねじはつる巻き線が2本あり、つる巻線1が円筒上を1周して到達した距離Lがリードです。一方、隣り合ったねじ山の距離(ピッチ)は、つる巻線1とつる巻線2の距離Pになります。従って二条ねじの場合は、L=2Pという関係が成り立ちます。
同様に考えて、n条ねじの場合はL=nPとなります。
ピッチPが同じ場合は、1回転あたり、n条ねじ(多条ねじ)の方が、一条ねじよりも、n倍多く進みます。
ちなみに日用品で、多条ねじが使用されているものに、万年筆(最近はあまり使われなくなりましたが?)のキャップがあります。多条ねじを使うことで、少ない回転で早くキャップを締めることができます。さらに、ねじ山の斜面が複数あることで、摩擦が大きくなり、ねじが緩み難いとか、負荷が分散して、ねじ山が破損し難い等の利点があります。

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