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フランジナットの雑学(第112号)

ナットを締付けるときに、ナットと母材の接触面の摩擦を安定させるために、平座金を挿入します。しかしながら、締付けの数が多くなると、平座金を毎回挿入するのが手間で、作業効率が悪くなります。
こんなときには、前記事のフランジナット(写真1)を使用すると便利です。フランジナットのフランジ部が平座金の役目を果たすのです。

写真1 フランジナット

さらに、フランジナットには、座面にギザギザ(セレート)が付いた「セレート付(写真2)」とギザギザが付いていない「セレート無(写真3)」があります。ちなみに、「セレート」はネットで調べると、「のこぎり状の(serrate)」という意味でした。

写真2 セレート付 写真3 セレート無

セレート付のフランジナットは、座面のギザギザが母材に喰い込んで緩み止めの効果があると言われています。
またフランジナットは六角ナットと平座金の組み合わせに比べ、外観の体裁を損ねないため、美観を重視する場合に使用される場合があります。
さて、フランジナットと似たような形状で、緩み止め効果のあるものに、スカートナットがあります(写真4,5)。
非常にシンプルな構造で、座面側のねじの一部をカットする事により、締付けた時、座面応力がフランジの外周まで全体に均一に伝わり、強固なゆるみ止め効果を発揮します(メーカー資料による)。フリクションリングやナイロンリング等の抵抗材が入っていないため、繰り返し何度でも使用できます。

写真4 スカートナット 写真5 スカートナット
断面

※ ・フランジナットの画像(写真2,3)は大阪フォーミング㈱殿のサイトから引用しました。
・スカートナットは㈱イチヤナギ殿の製品です。

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