本誌でもよく登場しますが、ねじにはピッチという用語があります。JIS B 0101によると、ピッチとは、「ねじの軸線を含む断面において、互いに隣り合うねじ山の相対応する2点を軸線に平行に測った距離」とあります。要するに図1において、ねじ山から次のねじ山までの距離を表します。
図1 おねじのピッチ |
メートルねじの場合には並目と細目があり、並目は同じ呼び径の中で最大のピッチで(廃止された規格を除く)、それよりもピッチが小さいものを細目と言います。一般的には並目ピッチが最も広く流通しています。
JIS B 0209-1によると、並目の場合には通常はピッチを表記しませんが、細目の場合にはM10×1(呼び径がM10でピッチが1mm)のように呼び径のあとにピッチを表記します。
JIS B 0205-2では呼び径及びピッチの選択が表1のように規定されており、やみくもにピッチを決めて、ねじを製作してよいというわけではありません。ちなみに、呼び径の選択にあたっては、表1のように、優先順位が付けられていて、1欄を最優先に選び、必要とする場合には2欄を、次に3欄を選びます。
呼び径D,d | ピッチ | |||||||
1欄 | 2欄 | 3欄 | 並目 | 細目 | ||||
第1 選択 |
第2 選択 |
第3 選択 |
1.5 | 1.25 | 1 | 0.75 | 0.5 | |
4 | – | – | 0.7 | 0.5 | ||||
– | 4.5 | – | 0.75 | 0.5 | ||||
5 | – | – | 0.8 | 0.5 | ||||
– | – | 5.5 | 0.5 | |||||
6 | – | – | 1 | 0.75 | ||||
7 | – | 1 | 0.75 | |||||
8 | – | – | 1.25 | 1 | 0.75 | |||
– | – | 9 | 1.25 | 1 | 0.75 | |||
10 | – | – | 1.5 | 1.25 | 1 | 0.75 | ||
– | – | 11 | 1.5 | 1 | 0.75 | |||
12 | – | – | 1.75 | 1.5 | 1.25 | 1 |