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スタッドボルトについて(第93号)

前述の記事でスタッドドリルねじというのをご紹介しましたが、スタッドとは何かを辞書で調べるとstud=びょう、スパイクという意味であることが分かりました。今年の大雪で大活躍しているスタッドレスタイヤですが、スパイクタイヤに対して、スパイク(スタッド)が無い(レス)ということで意味が理解できました。
ねじ業界でスタッドというとスタッドボルトを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。スタッドボルトの英語名は「stud」ですが、JIS B 1173によると、「植込みボルト」という名称になっています。スタッドを植込んで使用することから命名されたのではと推測されます。

図1 JIS B 1173植込みボルト

さて、JIS以外の植込みボルトも多く流通していますが、今回はJIS B 1173植込みボルトについて案外知られていない事柄をご紹介します。
長さ:
JIS以外のスタッドボルトは、呼び径×全長で指定されることがよくありますが、JIS B 1173植込みボルトの場合は、図1の全長から植込み側のねじ部の長さbmを引いた長さl(エル)で指定します。
ねじ部長さ:
ナット側ねじ部の長さb、及び植込み側ねじ部の長さbmは任意に指定できる訳ではなく、ねじの呼び径により表1のように決められており、さらに植込み側のねじ長さbmは1種、2種、3種の3通りの中から選択します。
例えば、10×40 2種の植込みボルトの場合は
・全長=l+bm=40+15=55mm(基準寸法)
・植込み側ねじ部=bm=15mm(基準寸法)
・ナット側ねじ部=b=26mm(基準寸法)
です。

表1 JIS B 1173植込みボルトの形状・寸法 抜粋 単位mm
ねじの呼び径d 8 10 12
ピッチP 並目ねじ 1.25 1.5 1.75
ds 最大(基準寸法) 8 10 12
最小 7.78 9.78 11.73
b l≦125mm
のもの
最小(基準寸法) 22 26 30
最大 24.5 29 33.5
bm 1種 最小(基準寸法) – 12 15
最大 – 13.1 16.1
2種 最小(基準寸法) 11 15 18
最大 12.1 16.1 19.1
3種 最小(基準寸法) 16 20 24
最大 17.1 21.3 25.3

ねじ部の寸法許容差:
ナット側のねじは一般のメートルねじ流通品と同じ6gですが、植込み側のねじは別途付表(表2)で規定された数値で、6gよりも有効径が太いため、ねじ込みは固くなります。

表2 JIS B 1173植込みボルト 植込み側ねじの寸法許容差及び公差 抜粋    単位mm
ねじの呼び(並目ねじ) M8 M10 M12
外径 基準寸法 8 10 12
許容差 上 -0.04 -0.04 -0.05
下 -0.21 -0.23 -0.24
有効径 基準寸法 7.188 9.026 10.863
許容差 上 +0.08 +0.08 +0.09
下 0 0 0
谷の径 基準寸法 6.647 8.376 10.106
許容差 上 -0.191 -0.244 -0.290
下 -0.361 -0.434 -0.510

 

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