前回は六角ボルトの組込みねじをご紹介しました。今回はスパック(写真1)を組み込んだ組込みねじをご紹介します。
スパック(SPAK)は波形ばね座金のことで、波形の形状によってばね反力を大きくし、締結部の圧力が均等に分散されて緩みにくくなる座金です。何度取り外しても座金を傷めず、永く使用できます。
写真1 スパック | 図1 スパック図面 |
スパックを組み込んだ組込みねじには十字穴付きなべ小ねじにスパックのみを組み込んだ(+)ナベSP=2(写真2)、スパックと平座金を組み込んだ(+)ナベSP=3(写真3)、スパックと小型平座金を組み込んだ(+)ナベSP=4などがあります。なべ小ねじ以外にも、アプセット小ねじ(写真4)や六角ボルト(トリーマ)に組み込んだものもあります。
写真2 (+)ナベSP=2 | 写真3 (+)ナベSP=3 | 写真4 4マークアプセットSP=3 |
余談ですが、日産ネジの製品で六角穴付きボルトにばね座金と平座金を組み込んだ、「WAソケットSPタイプ」というものがありますが、ここで言う「SP」は、スプリングワッシャー(S)とプレインワッシャー(P)のことで(筆者の推察ですが)、スパックを意味するものではありません。
写真5 WAソケット SPタイプ |
なお、スパック組込みねじはサイズ、種類が少ないため、設計時には前もって規格をご確認下さい。