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ステンレスねじの焼付対策(第82号)

ステンレスのボルトとナットを締結する際に、摩擦熱により雌ねじと雄ねじの間で溶解、付着し焼き付き(かじり)が発生することがあります。一度焼き付きが発生すると、強引に引きはがす等、ボルト、ナットを破壊する必要があり、大変工数がかかります。
今回は①焼き付きをあらかじめ防止する表面処理と②嵌合部にスプレーして、焼き付いたねじを外せる新商品2種類をご紹介いたします。
①焼き付き防止表面処理「やきつかナット・ボルト」
3層メッキ構造(錫メッキ仕上)で中間に熱を逃がすメッキ層があり、仕上げはすべり性の良い錫メッキを施すことにより、焼き付きにくく、施工しやすい仕上がりです。
作業時間の短縮によるコストダウン、効率アップや焼付防止剤を塗布できない場所などにお勧めです。
ナットM4~M12はメーカー在庫あります。量産対応はナットでM2~M30、ボルトでM2~M14です。それ以外のサイズは別途ご相談ください。

表1 やきつかナット 耐熱・耐食実験結果
温度 加熱
時間
締付け(10回)後の焼き付き結果 温度 加熱
時間
締付け(10回)後の焼き付き結果
250℃ 10分 400℃ 10分
30分 30分
180分 180分
300℃ 10分 450℃ 10分
30分 30分
180分 180分
350℃ 10分 500℃ 10分
30分 30分
180分 180分

 

(結果の見方)
◎:問題無し、○:ややカジリ気味だが良好、△:多少のカジリ・焼き付きあり、×:焼き付き発生(メーカーの実験結果ですので、使用環境により実際の性能は変動することがあります。ご使用時の目安にしてください。)
(実験条件)
・M8のボルト(素材)とやきつかナットを、インパクトドライバで締め付けた状態でマッフル炉に投入
・熱処理後、インパクトドライバ(110Nm)で10回締め付けを繰り返し、カジリ・焼き付きの有無を確認

②焼付を起こしてしまった時には「ねじ神様」  焼付いたはめあい部分にスプレーして、液の浸透後に工具で普通に外すという画期的な商品です。ステンコロリンなどを販売しているR-GOTの新商品です。
2016年4月販売開始です。一度試してみる価値はあるかも!!

 

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