今回は新旧JISの両方の商品がいまだに流通しているものとして、平行ピンをご紹介いたします。
写真1 平行ピン新JIS、左:A種、右:B種 |
平行ピンはJIS B 1354で規定されており、1988年のJIS改正により規格が変更されました。新JISと旧JISの規格を図1及び表1と図2及び表2にそれぞれ示します。新JISはA種とB種(C種もある)に分けられ、A種は径の許容差がm6、B種は径の許容差がh8です。形状はA種の場合一方の端面が面取りで、もう一方の端面が丸くなっていますが、B種は両側とも面取りです。呼び長さはA種、B種共全長で規定されています。
図1 平行ピン新JIS |
図2 平行ピン旧JIS |
旧JISはA形とB形があり、A形は両端面が面取りで、B形は両端面が丸くなっています。径の許容差はA形、B形のそれぞれに対しm6かh7を指定します。呼び長さは全長ではなく、肩-肩の長さで規定されています。従って、例えば平行ピン5×20の場合には新JISでは全長が20mmですが、旧JISでは22mm程度になります。「A」「B」の表記も新旧JISで意味が違いますので要注意です。
なお、弊社ではS45C(焼入れなし)、SUS303の平行ピンは主に新JISを在庫しています。
呼び径 | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 | ||
d | 許容差 | A種(m6) | +0.008 +0.002 |
+0.012 +0.004 |
+0.015 +0.006 |
||
B種(h8) ※1 |
0 -0.014 |
0 -0.018 |
0 -0.022 |
||||
L呼び長さ | 8~ 30 |
8~ 40 |
10~ 50 |
12~ 60 |
14~ 80 |
(※1)現行のJIS B 1354ではB種の径の許容差はh8となっていますが、弊社で扱っている平行ピンB種はh7となっています。(h7はh8の許容差内ですので規格を満たしています。)
呼び径 | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 | ||
d | 許容差 | m6 | +0.008 +0.002 |
+0.012 +0.004 |
+0.015 +0.006 |
||
h7 | 0 -0.010 |
0 -0.012 |
0 -0.015 |
||||
L呼び長さ | 6~ 32 |
8~ 40 |
10~ 50 |
12~ 60 |
14~ 80 |