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ドリリングタッピンねじとは(第50号)

タッピンねじについてJISを調べているうちに気になったのですが、JIS B 1124「タッピンねじのねじ山をもつドリルねじ」とJIS B 1125「ドリリングタッピンねじ」とは何なのでしょうか? 調査した結果、JIS B 1124は前回解説した、セルフドリリングスクリューのことで、先端にドリルの刃が付いており、自ら下穴をあけ、ねじ山を形成しながらねじ込んでいくねじです。
このセルフドリリングスクリューですが、市販されているねじの多くはメーカー独自規格で、JIS B 1124を取得しているねじは少ないようです。その少数派の中でケーエム精工製の「J-DRIVE」がJIS適合品でした。

メーカー独自規格(ピアスを一例とする)とJIS B 1124では呼び径が表1のように若干異なりますので要注意です。

表1 JIS B 1124とピアスの呼び径の違い
規格 呼び径
JIS B 1124 ST2.9、ST3.5、ST4.2、ST4.8、ST5.5、ST6.3(※1)
ピアス 3.5、4、5、6

※1 J-DRIVEではすべての呼び径が製品化されているわけではありません。

写真1 J-DRIVE

次にJIS B 1125の「ドリリングタッピンねじ」でよく目にするものは「コーススレッド」等があげられます。
コーススレッドはドリリングタッピンねじとはいうものの前回説明した「タッピンねじ」のように金属に使用することはできず、主に木材に使用するねじで、木ねじと違い、焼入れ、焼戻しされ、硬度が上げられています。市販されているものはJIS規格準拠品が多く、輸入品もよく見かけます。JIS B 1125適合品としては、ケーエム精工製「コースねじ」等があります。
ところで、JIS B 1125は1条ねじと2条ねじ(※2)が規定されており、「コースねじ」は1条ねじで、ケーエム精工が製造している、石膏ボード用の「ボードスクリュー」は2条ねじです。

写真2 コースねじ

 

写真3 ボードスクリュー

このように、JIS B 1124、JIS B 1125を取得しているメーカーはまだ少数のようで、もしJIS適合品が必要なら上述の商品等を選択すればよいと思います。
さまざまな用途に特化した、メーカー独自規格品は建材用スクリューとして、ここで紹介しきれないほど沢山の種類が製品化されております。弊社サイトに掲載しておりますので、ご覧下さい。
https://ssl.ymzcorp.co.jp/ym8/catalog_dbrcd.php?name=9

 

(※2)1条ねじ、2条ねじ
図1のように、1条ねじはつる巻線が1本、2条ねじは2本あります。
1条ねじの場合はピッチとリードが同じ長さで、2条ねじの場合はピッチがリードの半分の長さになります。
リードはねじ1回転で軸方向に進む移動量のことで、ピッチはねじ山間の長さです。

図1 1条ねじと2条ねじの違い

リードを長くすると、ねじ1回転で軸方向に進む移動量が多くなり、締付時間の短縮やねじを回す回数を減らすことができます。
しかし一方で、つる巻線が短くなることで、ねじ山の耐力が小さくなり、締付力が低下したり、ねじ山の接触面積が小さくなることで、摩擦が減って緩みやすくなります。そのような問題を避けるために、2条ねじ、3条ねじ、4条ねじ・・・(2条ねじ以上を多条ねじという)が使われます。

 

 

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