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建材用ねじで目にする用語(第52号)

前回までに、ドリリングタッピンねじやセルフドリリングスクリューの紹介をしましたが、建材用ねじのカタログを見ていると、建築業界で使用される専門用語が出てきて、機械屋では良く分からないものがあります。今回は、日頃から疑問に思っていた用語を調査しましたので、それをまとめてみました。前回号も一緒にご参照下さい。

1.アンカー関係
表1にあと施工アンカーのカタログでよく見かける用語を挙げてみました。金属拡張アンカーはコンクリート用で、モルタルには使用できません。モルタル層がある場合にはロングタイプを使用し、アンカーをコンクリートにしっかりと埋め込む必要があります。ALCはもろいのでALC専用のアンカーを使用します。またアンカー以外にコンクリート用、ALC用のねじも市販されています。

表1 アンカー関係で使用する用語
名称 解説 使用するアンカー
コンクリート セメントに水、砂利、砂を練り混ぜたもの。圧縮力に強いが引張力に弱いため、鉄筋を入れて強度を増した鉄筋コンクリートがよく知られている。 オールアンカー、グリップアンカー、Pレスアンカー、ビスコン
モルタル セメントに水、砂を練り混ぜたもの。強度はコンクリートよりも劣る。一昔前はモルタルを壁に塗った、木造モルタル住宅が一般的であった。 オールプラグ
ALC 高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート(autoclaved light weight aerated concrete)のこと。鉄骨造、鉄筋コンクリート造の床、屋根、外壁に使用される。 エーエルシーアンカー、ALCドライブ、アルコース、ALCボードカット

2.パネル材料
表2に建材用ねじのカタログでよく見かけるボード、パネルの名称を挙げてみました。一般的に、パネルは下地の鋼材や木材にねじや釘で固定されます。下地材が鋼製で内装用の1mm以下の薄板であれば、ドリリングタッピンねじ(※3)が使用できます。下地材が鉄骨等、厚みがある場合にはセルフドリリングスクリューを使用します。頭部形状は、石膏ボードのように柔らかく表面の紙がむしれては困るものにラッパ頭を使用し、木材等で頭を埋めたい場合にフレキ頭を使用し、座ぐり穴を形成します。被締結材の浮きを防止するためには、先端がリーマ形状のものを使います。

※3 「ドリリングタッピンねじ」はJISの呼び方ですが、市販されているねじの大半がJISを取得していません。今回は便宜上、この呼び方を使用しました。

名称 解説 使用ネジ(※4)
合板 木材を薄く剥いたベニヤ(※5)を接着剤で張り合わせて積層した板。構造用合板、普通合板、型枠用合板(コンパネ)、化粧合板等がある。構造用合板は壁、床、屋根下地に使われる。型枠用合板はコンクリートを流し込むための型枠として使われる。 コーススレッド、リーマフレキ、コーススレッドフレキ
コンパネ 「コンクリートパネル」(コンクリート型枠用合板)と「コンポジットパネル」(複合パネル)の両方の意味が混在して使われている。どちらも合板であるが、強度、性質、サイズ等が異なるので、どちらの意味で使われているか確認する必要がある。 リーマピアス、リーマフレキ、コーススレッドフレキ(型枠用合板の場合)
パーティクルボード 木材片に接着剤を混ぜて加熱圧縮して板状に成型したもの。 コーススレッド、パーチビス、リーマピアス
石膏ボード 石膏を主成分とした材料を板状にして両面を紙で挟んだもの。断熱、遮音性があリ、内装に使用される。プラスターボードとも呼ばれる。 コーススレッド ラッパ、ボードファスナー、ボードタップ
ケイカル板 珪酸カルシウム板のことで、石灰質、珪酸質材料に繊維を加え、水を混ぜて練り合わせたものを高温高圧養生する。軽く、耐火性、断熱性に優れている。カビに対する抵抗力がある。加工しやすい。 コーススレッド ラッパ、コーススレッドフレキ
フレキ板 フレキシブルボードの略。セメントを原材料に、繊維等を加えて練り固めて、加圧成型したもの。高強度で靭性がある。いわゆるスレートボードのこと。以前は石綿を使用していた。 ボードテックフレキ、
ジャックポイントフレキ
木質系セメント板 木毛セメント板と木片セメント板がある。木毛セメント板はリボン状にした木材を、木片セメント板は短い木片を、それぞれセメントと練り合わせで圧縮成型したもの。断熱、防耐火、調湿性に優れている。 ボードテックフレキ、
リーマーフレキ
サイディング 建物の外壁に貼り付けて使用する板材のことをサイディングという。セメント等で作られたものを窯業系サイディングという。以前は木造にモルタル塗の壁が一般的であったが、最近はこれをよく使用している。金属製のものは金属系サイディングという。 ハイロービス、ボードテックフレキ、リーマフレキ

 

 

3.建築関係用語
表3に建材用ねじのカタログでよく見かける建築関係用語を挙げてみました。

名称 解説 使用ネジ(※4)
ドライウォール工法 内装の壁、天井を左官仕事でなく、乾式で仕上げる工法。石膏ボード等を張り、つなぎ目部分を、亀裂が入らないように工夫をして、パテやテーピングでフラットにし、その上を塗装、クロスで仕上げる。 ドライウォールラッパ、コーススレッドラッパ
折板 板厚0.6~1.2mmの鋼板を山形に折り曲げた形状で、鉄骨造の屋根材としてよく使われる。野地板がいらないので、工期が短縮できる。タイトフレームという金具を梁に取り付け、それに固定する。「せっぱん」と読む。折版と書く場合もある。図7参照 ピアス折板緊定用、
ピアス折板中間用
丸波
角波
丸波は断面が連続した波状になった板材のこと。物置の屋根や、壁材として使われる。大波(ピッチ76mm)と小波(ピッチ32mm)がある。角波は一定の間隔で四角状の折り曲げ部があり、それ以外の部分は平らになった板材で壁材として使われる。図8,9参照 ピアスシール、MBプラ波テクス
野地板 屋根材を葺く前の垂木や梁の上に張る下地のこと。構造用合板を使用したり、耐火性を持たせた耐火野地板を使用したりする。図10参照 野地ハイロー、瓦ビス、
野地板コース
軽天 天井や壁の骨組にLGS(light gauge stud )という軽量鉄骨材を使用し組んだ天井下地。鉄骨材は通常厚み1mm以下を使用。この骨組に、天井であれば天井材、壁であればパネルを貼り付ける。図11参照 軽天ラッパ、軽天フレキ

 

図7 折板 図8 丸波 図9 角波
図10 野地板 図11 軽天

 

※4
・あくまでも一例です。
・使用ネジはボードを下地に固定する場合と、ボードに使用する場合が混在しています。詳細はお問い合わせ下さい。

※5
「ベニヤ」というと合板のベニヤ板を思い浮かべるが、実際には薄く剥いだ1枚の板をベニヤという。

 

 

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