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ねじの緩み・脱落防止について(第94号)

前述の脱落防止スプリングに関連して、今回はねじの緩み・脱落防止についての雑学です。
最初に、ねじの締結のお話です。ボルトとナットで被締結部材を締め付けたとき、ボルトの軸部に軸力(張力)がかかり(図3)、ボルトとナットが接触しているねじ山に摩擦が生じます。この摩擦力によって緩み回転が阻止され、ねじが締結された状態となります。ねじを締結したときの軸力は、適正値になっていることが重要で、大きいから良いという訳ではありません。
次にねじの緩みです。締結されたボルト、ナットに振動、外力が加わり、緩み方向の力が上記摩擦力を上回ると、ねじが緩みます。また、ねじ、非締結部材の初期なじみや変形により軸力が低下したときは、わずかな振動や外力でもねじが緩むことがあります。

図3 ねじ締付時の軸力

ねじが緩んだ(軸力が低下した)状態でねじを使用し続けると、ボルト破断の危険がありますので、緩み止めや定期的なメンテナンスを行い、適正な軸力を維持する必要があります。
また、緩んだねじが脱落すると、装置だけでなく、周囲の人・物に危険を及ぼすことがあるため、ねじの脱落防止の点からもねじの緩み対策は重要となります。
ねじの緩み・脱落防止で古くから行われている方法が、ボルト・ナットの機械的な固定です。穴をあけたボルトや、溝付きナット(写真3)に、割ピンを挿入したり、針金を巻きつけたりして、ねじの回転を防止します。この方法は、古くは蒸気機関車の駆動部(写真4)に使われており、現在でもジェットエンジンの重要箇所では採用されているようです。

写真3 溝付き
六角ナット
写真4 蒸気機関車のクロスヘッド

しかし、この方法では作業に時間がかかり、非効率的であることから、効率的にねじの脱着を可能にすべく、緩み・脱落防止に関する多くの新商品が提案されています。
従来から広く普及しているものが、ねじの摩擦力を大きくするプリベリングトルク形ナットで、例えばUナット(写真5)やナイロンナットがよく知られています。これは、ナットに一体成型された金属製リングやナイロンリングをボルトのねじ部に押し付けることで摩擦力を発生させ、ナットの緩みを防止したり、たとえナットが緩んだとしても、脱落を防いだり、遅らせることができます。前記事のロックワンやペタルファスナーは、緩み止めのリング部をナットから独立させたものと考えられます。

写真5 Uナット

緩み止め効果をさらに進化させたのが、ハードロックナット(写真6)です。これはボス部を偏芯加工した凸ナットと真円加工した凹ナットを組み合わせることで、くさびの原理によりねじ部をロックするため、摩擦方式以上の緩み止め効果があります。

写真6 ハードロックナット

また、違った視点の商品もあり、軸力を監視することで、ねじの緩みを判断しようとするものです。これは、軸力の大きさを色の変化で表すことができるDTIシステムで、ボルト頭部のインジケータの色の変化(図4)で、軸力の状態が分かりますので、頻繁にメンテナンスが必要な箇所や軸力管理が重要となる部位には費用対効果等の検討の余地があるのではと思います。

図4 DTIシステム

 

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