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ねじの回転緩みと非回転緩みについて(164号)

ねじの締結は、図1のように被締結体をおねじとめねじで挟んで締め付けることにより、ボルトに軸力が、被締結体に圧縮力がそれぞれ発生し、被締結体を固定するものです。ねじ締結時には、ねじ山接触面に発生する摩擦力により、ねじの緩みが阻止されます(図2)。従って、軸力が低下するとねじ山の摩擦力が低下し、ねじが緩むことになります。

図1 ボルトにかかる軸力 図2 摩擦力による締結

ねじの緩みは大きく分けて「回転緩み」と「非回転緩み」に分けられます。回転緩みは、図3のように被締結体に外力が加わると、被締結体とねじ座面との間ですべりが発生し、ねじに緩み方向の力が作用して、ねじが緩み回転し、軸力が低下する現象です。

図3 被締結材にかかる外力

非回転緩みは、緩み回転しなくても軸力が低下して緩む現象です。非回転緩みの原因としては、次のようなことが挙げられます。
〇変形による緩み(図4)
1.座面の陥没(a)
2.座金の変形(b)
3.ボルトの伸び(c)
〇なじみによる緩み
1.ボルト・ナットのなじみ
2.被締結体のなじみ

図4 変形による被回転緩みの原因

変形による緩みの場合は、ねじに加わる外力により、被締結体やねじが変形し、軸力が低下する現象です。外力が加わっても変形しにくい設計が重要です。また、適切な軸力管理を行い、締めすぎや締結不足に注意する必要があります。
なじみによる緩みは、適切な締結を行っても、締付箇所の表面の微細な凹凸が変形することで、軸力が低下する場合があり、この場合はねじ締結後に適切なタイミングでねじの増し締めを行い、緩みがないか確認するといった工夫が必要です。

※ 参考文献
数式を使った、理論的な解説がされています。
増補ねじ締結概論 酒井智次著 養賢堂

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