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十字穴の雑学(第77号)

今回は先のパズルで出題された十字穴について調べてみました。
JISによると十字穴の形状は、JIS B 1012で次の3種類を規定しています。
(1)H形(ISO規格のフィリップス形)
(2)Z形(ISO規格のポジドライブ形)
(3)S形(ISO規格は規定していない)

図2 H形十字穴 図3 Z形十字穴 図4 S形十字穴

H形は一般によく使用されている十字穴で、サイズ指定のため番号0~4まで規定されています。アメリカのフィリップススクリュー社が開発したものでアメリカでは十字穴のことを「フィリップス」と呼ぶそうです。
Z形はポジドライブと呼ばれるもので、十字穴とは別に45度ずれた位置に溝がついた形状で「カムアウト(※1)」を防止し、強力なトルク伝達が実現できます。番号0~4まで規定されています。英国EIS社の登録商標です。同社の登録商標でスパドライブというのもあります。
ポジドライブは国内であまり見かけませんが、ネットによるとIKEAの家具に使われているという情報がありましたので機会があれば確認していただけたらと思います。
S形は日本写真機工業規格JCIS8-70で規定されている精密機器用ねじ(0番小ねじ)の十字穴に準じたものです。
これらの十字穴は形状が異なり互換性がありませんから、それぞれの規格にあった工具を使用する必要があります。

※1 カムアウト:ねじ回しでねじを回すときに、押さえる力が不足したり、サイズが合わないねじ回しを使用したときに、ドライバ先端が十字穴から出てしまうこと。十字穴が破損する場合があるので、サイズに合ったねじ回しを使用する必要があります。

 

 

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