ダイスとは雄ねじを切るために使う道具の事。最近では専用工具化して新しいタイプのダイスが開発され被削ねじ精度の管理も容易になってきているようです。
JIS B4451、JIS B4455、JIS B4456ではソリッドダイス、アジャスタブルダイス、管用ダイスなどが規定されています。その他にもスパイラルダイス、ローリングダイスなどメーカー独自のダイスもあります。ではその選定方法をみていきたいと思います。
ソリッドダイス
すり割りがなくねじ径の調整ができないダイス。寸法調整が不要で段取り簡単、重切削に耐えられる。
日本ではアジャスタブルダイスが主流であるが、外国ではこのソリッドダイスが多く使用されている。
アジャスタブルダイス(調整式丸ダイス)
ダイスのすり割り部分に調整ねじがついているダイス。
その調整ねじでねじ径を僅かに拡大したり縮小したりすることができる。ねじ切り用として、最も多く使用されているタイプ。
実際に使用して思うことは調整が出来て便利だがその調整が困難。間違うと規格通りのねじが切れない。
材質の違いやねじ製作後にメッキ処理をする時などの微調整が出来る。
管用ダイス
テーパねじ、平行ねじを切る時に使うダイス。平行ねじ用はアジャスタブルタイプのみです。
スパイラルダイス
切り屑穴が斜めになっているので切れ味が良く切り屑が排出されやすくなっている。難削材のねじ立てに使用。切り屑はねじ立て方向に対し「右ねじ左ねじれ刃は前方へ」「右ねじ右ねじれ刃は手元へ」押し出され能率的。
スパイラルポイントダイス
ダイスの食いつき部を斜めに削り特別の溝をつけてあるので、切り屑は前方に押し出され切粉によるトラブルが少なくなる。重切削に耐える。
ローリングダイス
小径ねじを自動盤で加工するときに使われる転造ダイス。切り屑が出ないので刃欠け等のトラブルがなく、仕上がり肌のきれいな高精度のおねじができる。
ダイスの材質について
合金工具鋼(SKS)が多いですが、難削材に対しては高速度工具鋼(SKH)に変わりつつあります。詳細については店員までお尋ねください。
弊社ではアジャスタブルダイスを主として在庫しておりメートル並目ねじだけでなくメートル細目ねじ用のダイスも在庫しております。
(以上(株)彌満和製作所殿、オーエスジー(株)殿資料を引用)