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ユニファイねじの歴史と規格(第66号)

前回の記事でウィットねじやユニファイねじに触れましたので、今回はインチねじ、特にユニファイねじの歴史と規格についてお話したいと思います。
歴史上最初のねじ規格は、イギリスのJoseph Whitworthが1841年にねじ山角度55°でねじ山先端が曲面のねじを提案したのが始まりです。これはその後、ウィットねじ(図6、BSW,British Standard Whitworth)としてイギリスのねじ規格となります。
アメリカでもこの規格が使われていたようですが、1864年にWilliam Sellersがウィットねじの形状を改良し、誰もが製造しやすいねじにするため、ねじ山角度を60°でねじ山先端がフラットな図7のようなねじを提案しました。これが後にアメリカの規格USS thread(United States Standard thread)となり、その後にユニファイねじの祖先であるNational Coarse(NC)、National Fine(NF)、National Pipe Taper(NPT)へと発展します。

図6 ウィットねじの基準山形 図7 ユニファイねじの基準山形

戦後、アメリカ、カナダ、イギリスは部品の互換性が重要との認識で、1949年に3国によりUTS(Unified Thread Standard)を制定しました。これが現在のユニファイねじUNC(Unified Coarse)、UNF(Unified Fine)、UNEF(Unified Extra Fine)の原型となります。しかしながらイギリスは、自国のBA規格(British Association Standard)を以後も使い続けることになり、当初から足並みは揃いませんでした。
また、時期を同じくして、1947年にISO(国際標準化機構)が設立され、もともとメートル系のねじを用いていた、他のヨーロッパ諸国やその他国々がメートルねじへの国際的な統一を推し進めていくことになります。
ねじの規格は様々な改良を加えられながら、それぞれの国、地域、産業で発展してきた実情もあり、グローバルスタンダード(メートルねじ)に統一されることなく、現在に至っています。
我々の身の回りではどうでしょうか。ウィットねじが若干使用されてはいるものの、メートルねじがかなり浸透しています。しかしながら、パソコンのような一般普及品でも未だにユニファイねじが使われていることが多々ありますので、ねじ規格のグローバル化は道半ばのようです。
さて、現在ユニファイねじはアメリカのANSI/ASME B1.1で規定されていて種類は表1のようにUNC、UNF、UNEFの他、特殊用途で定数山系列やUNS(※3)というのもあります。これらユニファイねじの中でJISに規定されているものは表2のように、UNC(ユニファイ並目ねじ)とUNF(ユニファイ細目ねじ)のみで、ユニファイねじすべてを網羅しているわけではありません。規格自体は、ISO263に規定されているISOインチねじがそのままJISに適用されています。

サイズ 呼び径 山数
並目 細目 極細目 定数山系列(※2)
1欄 2欄 inch mm UNC UNF UNEF 12UN 16UN 20UN 28UN
No.6 0.1380 3.505 32 40
No.8 0.1640 4.166 32 36
No.10 0.1900 4.826 24 32
No.12 0.2160 5.486 24 28 32 (UNF)
1/4 0.2500 6.350 20 28 32 (UNC) (UNF)
5/16 0.3125 7.938 18 24 32 20 28
3/8 0.3750 9.525 16 24 32 (UNC) 20 28
7/16 0.4375 11.112 14 20 28 16 (UNF) (UNEF)
1/2 0.5000 12.700 13 20 28 16 (UNF) (UMEF)
9/16 0.5625 14.288 12 18 24 (UNC) 16 20 28
5/8 0.6250 15.875 11 18 24 12 16 20 28
11/16 0.6875 17.462 24 12 16 20 28
3/4 0.7500 19.050 10 16 20 12 (UNF) (UNEF) 28

ユニファイねじは呼び径やピッチ、長さの指定方法がメートルねじとは異なり、下記のようになります。
呼び径:
外径が1/4インチ以上は分数表記、1/4未満はNo.(No.0~No.12)表記です。
ピッチ:
1インチあたりのねじ山の山数で指定します。例えば図8のようにねじ山の山数が1インチあたり10山であれば山数は10となります。 ちなみにメートルねじで言うところのピッチに換算すると、25.4/10=2.54mmとなります。
長さ:
インチで指定します。例えば1-1/2(※4)であれば25.4mm×1.5≒38mmです。
サイズの表記方法は、例えば呼び径が3/4インチのUNCで、長さが1-1/2インチであれば 3/4-10 UNC×1-1/2、呼び径がNo.8のUNFで長さが3/8であれば No.8-36 UNF×3/8 という表記になります。

表2 JISで規定されているユニファイねじ
表題 JIS
ユニファイ並目ねじ JIS B 0206
ユニファイ並目ねじの許容限界寸法及び公差 JIS B 0210
ユニファイ細目ねじ JIS B 0208
ユニファイ細目ねじの許容限界寸法及び公差 JIS B 0212

 

図8 ユニファイねじの山数

 

 

※1 ねじの歴史は主にwikipediaを参照しました。
※2 定数山系列はこの他に4UN,6UN,8UN,32UNがあります。
※3 ANSI/ASMEが手許にないのでこれ以上の説明はできません。
※4 規格類では11/2のように記述されていますが、本紙では印刷の都合上   1-1/2としています。

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