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ステンレスねじの磁性を検証する(156号)

前回の第155号記事で、ステンレス鋼のなかでフェライト系とマルテンサイト系は磁石につく性質があり、一般的に磁石に付かないと思われているオーステナイト系も、冷間加工を行うと部分的に磁石に付くことを述べました。
今回は、ステンレス製のねじ数種類について、実際に磁石に付くのかどうかを検証してみました。
〇マルテンサイト系ステンレス
磁石に付くと言われるステンレスです。SUS410ピアスPANとSUS420J2波形ロールピンで試しました。
結果は写真6のようにしっかりと磁石に付きました。

写真6 マルテンサイト系ステンレスは
磁石に付く
(左:SUS410ピアスPAN、
右:SUS420J2波形ロールピン)

〇フェライト系ステンレス
これも磁石に付くと言われるステンレスです。SUS430キャップスクリューで試しました。 結果は写真7のように、しっかりと磁石に付きました。

写真7 フェライト系ステンレスは磁石に付く
(SUS430キャップスクリュー)

〇オーステナイト系ステンレス
磁石に付かないと思われているオーステナイト系ステンレスですが、加工方法によっては、磁石に付くことがあります。
写真8のSUS304CSP軸用止め輪や写真9のXM7(※2)キャップスクリューは鉄ほど強くではありませんが、磁石に付きました。どちらも冷間加工の影響で磁性を持ったと考えられます。

※2 SUSXM7:Cu(銅)を添加して加工硬化性を抑え冷間加工しやすくしたステンレス鋼がSUSXM7です。ステンレス製のねじではSUS304相当品として広く使われています。

写真8 オーステナイト系は磁石に付く場合がある
(SUS304CSP止め輪)

 

写真9 磁石にかろうじて付くXM7キャップスクリュー

 

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