前回説明した、鋼材に下穴をあけずにねじ込んでいくことができるねじ、セルフドリリングスクリューですが、各社様々な製品を出されています。表1にピアス販売、ヤマヒロ、ミヤガワ、日本パワーファスニング、北村精工、各社製セルフドリリングスクリューの主なブランド名を掲げてみました(この他にもメーカはあります。)。弊社では表1のうちピアスを標準在庫としております。
メーカー名、総販売元 | ブランド名 |
ピアス販売 | ピアス |
ヤマヒロ | ジャックポイント |
ミヤガワ | FRXドリルねじ MRXドリルねじ |
日本パワーファスニング | MBテクス ボードテック |
北村精工 | Live(ライブ) |
またそれぞれのブランドで、形状の呼び方が違いますので参考のために表2に掲載しました。各社の品揃えも含めてご参照下さい。表2の形状はほとんどが頭部形状ですが、リーマだけは先端部の形状になります。これらの形状は後述のように、金物、木材、石膏ボード等の用途毎に使い分けられます。
ブランド名\形状 | ナベ | 皿 | 六角 | ラッパ | リーマフレキ | フレキ |
ピアス | PAN | サラ | HEX | - | リーマピアス | - |
ジャックポイント | ナベ | サラ | ヘックス | ラッパ | リーマーフレキ | フレキ |
FRXドリルねじ | なべ | 皿 | 六角 | - | フレキリーマ | - |
MBテクス | ナベ | サラ | 六角 | - | - | |
ボードテック | - | サラ (リーマ付) |
- | - | フレキ | - |
Live | ナベ | サラ | 六角 | ラッパ | リーマフレキ | フレキ |
ナベ:
鍋底のような形状で、一般的にはナベ頭、あるいは単に「ナベ」といわれます。英語ではpan headといいますので「PAN」と表示される場合があります。極めて一般的な形状です。
図5 ナベ頭 |
皿:
上面が平らで座面が円錐形の頭です。あらかじめ金物等の被締結材に円錐形の窪み穴をあけてから、この穴に頭を沈めますので、取り付け時に頭の出っ張りを無くすことができます。
図6 皿頭 |
六角:
文字通り六角形の頭です。英語ではhexagon headと言いますのでHEX(ヘックス)と言われることもあります。トルク伝達力が大きく、十字穴で見られるようなカムアウト(締付時にドライバー、ビットが浮上がること)が起こりにくいので太径に適しています。座面はフランジ付きです。
図7 六角頭 |
ラッパ:
皿頭のテーパ座面部が円弧状になっており、頭部を横からみるとラッパの形状に見えます。英語ではtrumpet headと言われます。ラッパ頭は石膏ボードのような柔らかい板をしっかり固定するときに使用します。形状は皿頭と似ていますが、用途が違います。
図8 ラッパ頭 |
フレキ:
頭形状は皿頭と同様に円錐状になっており、円錐部に突起(リブ)が付いています。この突起により被締結材を削りとることで、座ぐり穴を形成することができます。フレキ板、ケイカル板等に使用します。皿頭と違いフレキ頭の直径や円錐部角度は、各社で統一されていないようです。
図9 フレキ |
リーマ:
ねじ先端の刃部に羽根状の突起が付いていて、この羽根により、被締結材である木材等に穴をあけ、締付時の木材の浮きを防ぐことができます。羽根は鋼材にねじ込むときに脱落します。リーマが付いているものはほとんどフレキ頭となっているのでリーマフレキ、フレキリーマと言われることが多いです。しかしながら、「リーマピアス」のようにフレキという呼び名が付いていないのに、フレキ頭になっているものや、「ボードテック フレキ」なのにリーマが付いているもの等々あり要注意です。
図10 リーマーフレキ |
頭の形状はこの他にも、頭の高さが低く、座面の大きいシンワッシャーや、平頭、小頭等があります。また、ねじ部が細目のものもあります。詳細はお問い合わせ下さい。
図5~7は㈱ミヤガワ様、図8~10は㈱ヤマヒロ様のカタログから抜粋させていただきました。