現在、日本で流通している六角ボルトと六角ナットの規格は1985年のJIS改正で、JIS本体規格(六角ボルト:JIS B 1180、六角ナット:JIS B 1181)ではなく、JIS附属書品となりました。しかしながら、いまだに流通品はJIS本体規格への切り替えが進んでいるとはいえない状況です。
これらJIS本体規格品とJIS附属書品との間では、強度区分の表示方法、強度、部品等級、部品等級A、Bの座面にはワッシャーフェイス(座)が付く、等々色々違いがありますが、今回は、六角ボルトの頭の高さと二面幅の違いに注目します。
本体規格品と附属書品について表1で同じ呼び径同志を比較すると数種類について二面幅が異なるサイズのものがあり、頭の高さはほとんどの呼び径で微妙に異なります。
ねじの呼び(d)並目 | 頭の高さk(基準寸法) | 二面幅s(基準寸法) | ||
附属書 | 本体規格 | 附属書 | 本体規格 | |
M10 | 7 | 6.4 | 17 | 16 |
M12 | 8 | 7.5 | 19 | 18 |
(M14) | 9 | 8.8 | 22 | 21 |
(M18) | 12 | 11.5 | 27 | 27 |
M20 | 13 | 12.5 | 30 | 30 |
(M22) | 14 | 14 | 32 | 34 |
M30 | 19 | 18.7 | 46 | 46 |
M36 | 23 | 22.5 | 55 | 55 |
図1 六角ボルトJIS本体規格品の形状 |
六角ボルトのJIS本体規格品は日本国内でほとんど流通していないのですが、ネットで海外の市販品を調べてみたところ、二面幅が本体規格(ISO規格)のボルトを市販しているサイトを見かけました。従ってすべてではありませんが、海外から取り寄せた六角ボルトや海外製品に使われている六角ボルトの場合は、スパナサイズが日本とは異なる可能性があります。
六角ナットについても六角ボルトと同様にJIS本体規格品と附属書品で二面幅が異なる場合があり同様の注意が必要です。