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ステンレスねじの焼き付き・カジリについて(151号)

ステンレスねじの締め付け時には、焼き付き、カジリを起こしやすいことはよく知られています。その原因として、ステンレス(SUS304)が鉄に比べて、熱伝導率が小さく、熱膨張率が高い性質を持つためであることが言われています。
つまり、熱伝導率が小さいということは、熱が伝わりにくいために、ねじ山同志のこすれで発生した摩擦熱が一点に集中しやすく、さらに、熱膨張率が高いということは、発生した摩擦熱によってねじ山が膨張、かじりが起こりやすくなるためです。従って、ステンレス(SUS304)のボルトとナットの組み合わせは締め付け時の焼き付きという観点からするとあまりよくない組み合わせであると言えます。
参考のため、金属材料の熱伝導率と熱膨張率がどれほどかをネットで調べてみました(表1参照)。表1によるとSUS304は鉄(炭素鋼)に比べて熱伝導率が小さく、熱膨張率(線膨張係数)が大きいことが分かります。

 

表1 金属材料の熱伝導率と線膨張係数
(ステンレス協会様のウェブサイトから抜粋しました)
材料 熱伝導率
(W/m・℃)×10^2
線膨張係数
(×10^-6)
4.12 19
3.71 16.7
アルミニウム 1.95 23
炭素鋼 0.58 11
SUS430 0.26 10.4
SUS304 0.16 17.3

ちなみに、銅の熱伝導率は鉄やステンレスに比べてかなり高く、熱がむらなく伝わるため、銅ナベが調理によいことはよく言われますね。また、ステンレス製の水筒は熱が伝わりにくい性質を逆に利用している訳ですね。

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